店舗をはじめた理由

今の場所に移る以前の話。インターネットを中心に販売していた鞄工房山本には、住所をたよりに直接工房まで来てくださるお客さまがいらっしゃいました。しかも、ご近所の方ではなく、遠く車を利用してわざわざ来てくださるお客さまばかりでした。しかし、当時の鞄工房は来店していただいても、買い物ができるようなお店ではありませんでした。3組のお客さまがいらっしゃったら、窮屈に感じてしまう部屋にたくさんのランドセルが並んでいました。ぎゅうぎゅうでした。

遠方からわざわざ来てくださる方のために、ゆっくりできる場所を
つくりたかったんです。
それが2008年の秋。
現在の場所に、工房と店舗スペースを併設した新しい鞄工房山本が
オープンしました。
600坪に工房と店舗を新設するのは、鞄工房山本にとっては
大きな冒険でしたが、それでお客様がゆっくりできるなら、
ランドセルを通してお子さまの成長を見守れるのであればと嬉しい思いです。
奈良県の小学校は、よく工房見学にきてくださいます。
いつも背負っているランドセルが、実は1枚の大きな革からできていたとか、
ひとつのランドセルをつくるのに、300以上の工程が必要だとか小学生にとっては
不思議な発見ばかりのようです。
食い入るように、作業をみる姿は好奇心でいっぱいです。
とくに、革を裁断するところや薄く漉くところ、
ミシンで縫う工程が人気です。

個人のお客さまは自由に工房見学ができますので、
お近くに来られた際は、是非お立ち寄りくださいませ。
敷地内には、樹齢400年の楠の木がどっしりと見守ってくれています。その木のもとに、鞄工房山本の看板を掲げたヒノキの香りがする工房があります。

工房内はランドセルを手造りする職人たちの姿が垣間見え、作業する「音」が木の香りがする工房に響き渡る。小学校の体育館のように柱がないので、外観よりも広く感じます。
トラス工法という構造です。
施工をお願いしたのは、先代からのお付き合いがあり、橿原市今井町の“たいこ橋”を作った実績のある職人気質の大工さんです。
鞄工房山本ができる以前は、白い壁が印象的な蔵がありました。かつてはここで薬がつくられ、たくさんの資料が貯蔵されていました。

「西側から見える蔵の白壁が楠の木にとてもマッチしていた」という工房主の想いに応え、棟梁が工房に再現してくれたのです。粋な計らいですね!
印象的な白い壁と、木目の壁の相性は抜群で来店いただいた
お客さまは、そこでランドセルとお子さまの写真を撮る方も
いらっしゃいます。
今年から、店舗の前は芝生でいっぱいになり、
一休みできるスペースをご用意いたしました。
自然と歴史を感じる工房で、お会いできるのを楽しみにしています。

鞄工房山本のランドセルはオンラインショップからもご購入いただけます